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【中高域モンスター】名機中の名機ETYMOTIC RESEARCH社「ER-4P」の音に感動の涙!一度は聞きたいし買いたいイヤホン間違いなし

補聴器メーカーでもあるETYMOTIC RESEARCH社といえば、イヤホン好きなら誰もが思いつくイヤホンがあります。

そう。名機中の名機と呼ばれる「ER-4S」。

エティモティック・リサーチ – Wikipedia

1991年米国での発売後、基本的な構成(シングルBA)を変えず、常に愛されてきた超絶実力派のイヤホン。2000年に日本で取扱が始まり、国内でもその繊細で原音に忠実な再現力に魅せられる人が続出しました。

発売後既に20年を超えるER-4S。

今なおその魅力は絶えず取扱店舗が存在し、発売時に生まれた子供が新品を手に取る事が出来るというなんとも素晴らしい状況もあったり。

 

そして1992年生まれの私もその魅力に取り憑かれたその1人。

以前から気にはなっていたけども、ここまで完成されたイヤホンを若造の私が果たして手にして良いものか、また手にした時にサイト運営者の性として恐らくレビュー記事にしたがるだろうけど、果たしてその素晴らしさを適切に体感でき、アウトプットすることができるのか?

 

購入ボタンを押すまでにちょっとした葛藤と悩みがありましたが、遂に興味と物欲、そしてその魅力とは一体何なのか?という純粋な好奇心に負け、購入にいたりました。

 

今回はそんな誰もが名機とうなずくER-4Sを購入ではなく、同一シリーズであり低インピーダンス版のER-4Pに更に「あるケーブル」がセットになったER-4PTの開封から音の評価までを記事にしてみました。

ER-4シリーズに興味がある方は是非チェックしてみてください!

 

 

ER-4SではなくER-4PTを購入。ER-4シリーズについて

売後既に20年を超えるER-4Sは、プロ向けに製品化されたER-4シリーズの1つ。実は幾つか種類があります。まずはその種類から簡単に説明していきましょう。

まずは主でありデフォルト、そして唯一無二の原音に忠実な「ER-4S」、次にバイノーラル録音に最適化された「ER-4B」、そしてER-4Sをポータブル用に扱いやすくした「ER-4P」、この3つはER-4シリーズの中でもよく知られている種類で、手頃な価格帯で購入することが出来ます。

上記3つ以外にも後継機として発売されたER-4SRとER-4XRもあり、ER-4シリーズ全体では5つの種類が存在しています。

ER-4 ER-4系では最もスタンダードな製品。ソースを非常に忠実に再現する性格のため、モニターとして使用される事が多い※Wikipedia抜粋
ER-4B ER-4Sをベースに、バイノーラル録音またはモニター用途として開発された。ER-4Sと比較すると、5-16Khz帯において音圧が5db高く調整されており、ER-4Sと同感覚で使用すると耳を痛める可能性がある。一般視聴目的は非推奨。※Wikipedia抜粋
ER-4P ポータブル機器で十分な駆動を行うためにインピーダンスを抑えたモデルである。結果としてノイズが乗りやすくなるが、容易に大きな音量を得ることが可能。※Wikipedia抜粋
ER-4SR ER-4Sの後継機で、原音を忠実に再現することを意図した製品である。筐体はアルマイト加工、MMCX端子が採用されたためケーブルの交換が可能になった。※Wikipedia抜粋
ER-4XR  ER4SRと比べて低音域が増強されたモデルである。※Wikipedia抜粋

私が今回購入する際に選んだER-4PTはER-4Pにあるケーブルがセットになったタイプ。つまり中身のイヤホン自体はER-4Pそのものということになります。

なぜわざわざあるケーブルがセットになったER-4PTを購入したのか、種類が多い分初ER-4Sシリーズという方にとってはわかりづらいかと思います。

 

ER-4SとER-4Pのインピーダンスの違いと「S化ケーブル」について

では鍵となる「あるケーブル」の説明をする前に、シリーズでよく知られている各3つの種類がどういった特徴を持つのか公式サイトで公開されているグラフを見てみましょう。

 

fig2:ER-4SとER-4BとER-4Pのそれぞれの特性グラフ

 

前述したテーブルの通り、ER-4シリーズにはそれぞれ特徴的な特性があります。

下のfig2グラフを見ても分かる通り、ER-4B(青線)はバイノーラル録音に適したモデルで高域の出力がやや高いという特性が見えますし、ER-4S(緑線)はER-4Pに比べると相対感度(Relative response)が13dB程下に位置しているのがわかります。

目的が異なるからこそグラフで見る通り特性も異なり、用途に合わせて選ぶというのが凄く重要になってくるわけですね。言ってもER-4シリーズはプロユース向けのイヤホン。
ただ適当に選んでしまってはダメなわけです。

 

さて、ER-4シリーズの中では1番人気が高く、最もスタンダードなER-4Sは原音を美しく、そして適切に出力してくれる特性を持っています。
これからER-4シリーズのイヤホンを購入するという方は、基本的にER-4Sを選んでおけば間違いない選択になるわけです。しかしながらER-4Sはインピーダンスが高いため、ボリュームが取れるデバイスが限られてくるという特徴があります。

もちろん最近のDAPでしたらボリュームを取ることができますが、ER-4Sが発売されたのは1991年。通常のプレイヤーでは中々ボリュームが取りづらく、間にアンプをかます必要があったりと扱いが面倒でした。

 

そこで登場したのが基本構成は同じで、インピーダンスを下げた版のER-4P。fig2グラフを見ても相対感度がER-4Sよりも高いのがわかりますが、インピーダンス100ΩだったER-4Sに対し、ER-4Pは27Ωとかなりポータル仕様になりました。

ER-4PのPは恐らくポータブル用という意味合いがあるだろうと言われていますが、まさに名機だったER-4Sを外でも扱いやすくしたモデルだったわけです。

 

そうER-4SとER-4Pはインピーダンス以外のスペックは同じなんですね。

 

では恐らく多くの方が気になるER-4SとER-4Pに音の違いは無いのか?というと残念ながらそんなことはなく、視聴者によっては若干の違いが感じられるらしい。

ココらへんはハイインピーダンス特性と視聴者の感想が絡んでくるので一概とは言えませんが、スペック的にインピーダンスが異なるわけなのでちょっとした部分で差があるわけですね。

 

なので現状としてはどうせ買うなら「1番人気でスタンダードでそして名機のER-4S」で、よっぽどの理由がなければER-4Pを購入する必要はないという事になってきます。

外で手軽に使えたとしても音質に影響が出てくるとなれば話は別。20年以上も愛されてきたER-4シリーズの醍醐味を味わうならハイインピーダンスのER-4Sを購入し、プレイヤー側を歩み寄らせたほうが良い。そんなわけですね。(最近であればDAPじゃなくてもスマホでもボリュームとれる事も多いです)

 

さてさて話を戻して、先程私はER-4PTを購入したと書きましたが、ER-4PTには前述した通りER-4P本体にあるケーブルが付属してきます。

別名S化ケーブルと呼ばれていますが実はこのケーブル、ER-4Pに噛ます事でインピーダンスをER-4Sと同じにすることが出来、スペック上ではER-4S=ER-4Pにする事ができる優れもの。

 

ER-4Sの選択が主流な中でわざわざ私がER-4PTを選んだ理由が見えてきましたね。

外では低インピーダンスで利用でき、時にはER-4Sの忠実な音もS化しちゃう事で手軽に楽しめる。ER-4PTはER-4SとER-4Pのハイブリット型パッケージだったというわけです。

 

前置きが長くなりましたがそんなこんなでER-4PT(以降ER-4Pとして記述)を購入したわけでして、今回はその開封レビューと、音質の感想を書いていきたいと思います。

 

ER-4Pの開封

というわけでやってきたER-4P。パッケージにはER-4と表記されていますが中身はER-4Pであり、今回はS化ケーブルが同梱されたER-4PTになります。

 

中を開けると立派なケースが登場。これまで色々なイヤホンを開封してきましたがここまで大きいのは私初です。

ETYMOTICのロゴが赤く光っておりますね。

 

中を開けるとこんな感じで紙が入っていまして、

 

購入したイヤホンのchannel-matching compliance graph(周波数特性表)を見ることが出来ます。

 

しかもテスターのサインまでしっかりあるというこだわり。流石補聴器のメーカーであるだけに、音に対する自信が見えますよね。

 

マニュアルも付属してきます。結構分厚い。

 

中身はこんな感じ。ケース含め色々付属してきますが注目したいのがやはりS化ケーブル(ER38-24)。ER-4Pには付いてきませんがER-4PTだとデフォルトで付属してくるのが非常に嬉しいポイント。

 

ちなみにS化ケーブル単体で3,000円~5,000円程します。

 

ER-4シリーズを使う多くのユーザーに遮音性とフィット性の高さで好まれる3段フランジイヤーチップ(別名:三段キノコ)も付属してきます。

 

付属するイヤーチップリスト一覧。

  1. 3段フランジイヤーチップ(フロスト)×1
  2. 3段フランジイヤーチップ(グレー)×2
  3. フォームタイプイヤーチップ ×2

その他フィルターの交換に便利なフィルターチェンジングツール一式と、その交換用フィルターも付属。あと外へ持ち歩く方に嬉しい専用のポーチもあります。

 

さて色々前置きがかなり長くなりましたがこちらがER-4P。4S、4B共に見た目ではあまり差はなく、こういっった筒状の形状をしています。

かなり特徴的な形状なため最初は抵抗がある方も居ますが、装着すると以外と髪の毛などで隠れたりして個人的にはそこまで抵抗感はないかなという印象。

ちなみにER-4シリーズの特徴的な形状を改善したER-6シリーズというのもあります。こちらは廉価版になるのでまた音の毛色が異なります。

 

折角なのでアップでも見てみましょう。デフォルトで装着されているのは3段フランジイヤーチップ(フロスト)版。

写真ではわかりづらいですが一応リケーブル対応で、2pinで形状さえ合えばサードパーティ製へ換装することも可。ただデフォルトのケーブルが公式販売していないのと、合うサードパーティ製のケーブルの数が少ないため、ケーブル周りの自由度は低いです。

でもER-4シリーズに関してはデフォルトケーブル込みでの完成なので、ここは是非ともまずはそのままで音を楽しみたいところ。

 

後ろから見るとこんな感じ。重量も軽くて一見すると簡素なイヤホンに見えますが、これがまぁ良い音を出してくれるんです。

ケーブルはツイストケーブルですね。好き嫌い分かれそうですが取り回しがし易いので個人的には好きなタイプ。タッチノイズも比較的少ない印象です。

 

ER4シリーズの良さの秘密でもある分岐部がこれ。リケーブルする際は結構シビアに検討が必要なのかなと。じゃないと音がだいぶ貧相になりそうな気が。

 

3.5mmピン。リケーブルする際は是非バランスも試してみたいところですね。

 

筒は細めなのでチップは選びますね。ただ合うチップも多数あるようなので好みにわせて選ぶと良いでしょう。特に3段フランジイヤーチップは人によって装着感が大分異なるので私も色々と試したいところ。

 

ER-4Pのスペック

タイプ カナル型イヤホン
インピーダンス 27Ω
感度 102dB (SPL@0.1v)
最大出力音圧 122dB SPL
最大許容入力 0.75 Vrms
再生周波数帯域 20Hz~16kHz
プラグ形状 ステレオミニプラグ
リケーブル対応 対応(2ピン)
ケーブル長 約150cm
重量  28g以下

 

実際に聞いてみる

さてイヤホン自体も一通り見てきましたのでとりあえず音の感想を書いていきます。

実はこのER-4P、購入から既に2ヶ月程経っていまして、エージング的にも丁度頃合いがいい感じに整ってきた状態。ですので暫く使って慣らした後での評価になりますのでご注意下さい。

ちなみにエイジング前と後の違い

やはり購入直後よりは中域、高域の抜けと落ち着きが出てきたなという印象。なので購入された方は是非適度に慣らしてあげてみるといいでしょう。

評価環境

  1. 使用DAP:DP-X1A
  2. 評価音源:ざらざら – 花澤香菜(Flac 96kHz)含め、ピックアップした評価音源約22曲程

 

まずはS化無しの純粋なER-4Pの音での評価

こんな事書いてしまうとレビュー記事の元も子も無いのですが、何から何まで既知の通りでした。
素晴らしい。この一言が1番ふさわしいかと思います。

  1. 中域から高域にかけての粒の細かさ。
  2. 狂いのない俊敏さ。
  3. 丁寧で忠実な再現力。
  4. ムダな味付けを排除したクリアなピュアさ。
  5. そして3段フランジイヤーチップによる圧倒的な遮音性。

 

音場の距離感も中々に丁度いい。

特に中高域の美しさには鳥肌モノ。何だこの音は。

今まで何を聞いてきたのか、思わず涙が出てくるような感覚と充実感が溢れてきます。

 

人の声ってこんなにも美しいのか。

楽器の表情が見えてくる気がする。

震えに触れられるようなリアルな響き。

 

繊細でありながらも音が持つ本来の野太さ・荒々しささえも感じられるのが本当に心地が良いですし、しかもシングルBAでここまで鳴らしてくるというのが感動的すぎる。ER-4P凄い。

 

品のいい音と言いましょうか。

ボリュームを取らなくとも美しい中高域がしっかり鼓膜に届く幸せ。

イヤホン好きな方ならこの幸せを実現するのがそう簡単な事ではない事がなんとなく想像付くかと思います。遮音性の高さとこだわり抜かれた音作りが絶妙に保たれているからこそ可能な音という事がひしひしと感じられます。

こいつは凄い。手にした満足度が半端ないイヤホンのTOP3には確実にランクインしますね。

 

評価イヤホン:ETYMOTIC RESEARCH社 ER-4シリーズ(ER-4P)

  • 高域     :
  • 中域     :
  • 低域     :
  • バランス   :
  • 解像度    :
  • 細部の表現力 :
  • 空間の表現力 :
  • デザイン   :
  • ER-4P 総合評価:(35/40)

 

再生周波数の上限は意外と低いけど、全く感じない実力に脱帽

実の所を言うとスペック上では再生周波数帯域が20Hz~16kHzと、最近の流行りから見ると少し劣る上限値が少しだけ懸念点でした。

ただ一度聞くとこんな数字なんてどうでもいいなと。

言ってもまだ私24歳。恐らくというか、ほぼ確実に16kHz以上の音は聞こえるはず。(18.5kHzはまだ聞こえる)

単純に考えれば上限値が上がれば上がるほど聞こえる情報量も多くなるのが常識ですが、ER-4Pに関してはその他のイヤホン(上限値50kHz等)では感じられない中高域の美しさ・圧倒的な解像度が感じられます。

 

中高域に関してはほぼ言うことなし。というかここまで完成されてしまっていては何か求める必要も無い気がしました。

ただ低域はシングルBAの弱さが若干見えてきます。
これに関してはイヤーチップを買えることで補完出来るという方も居れば、耳の形、また装着具合の調整で大分変わるという方も居るよう。

実際私の場合は装着具合をちょっと調整してあげると(気持ち手前にしてあげる)低域の出も大分改善されました。

低域大好きな私ですが、フラットリスニングの際であればER-4の低域の量でも十分楽しめるなというのが正直な感想。

 

ではではお次はS化ケーブルを介してER-4Sへアップグレードしてみましょう。

 

S化済みのER-4P(ER-4S同等)の音での評価。

インピーダンスが100Ωになるので一気に音量が取りづらくなります。音源によってはDP-X1Aでもちょっと物足りない音になることも。(ゲイン調整すればOK)

ただS化することによって音の安定性が気持ちグッと引き締まった気がするのと、より中高域の美しさが際立ったような気がします。

ER-4PとER-4Sの違いを手軽に切り替え出来るのは単純に聞いてて楽しいです。

顕著に変わるという程ではないですが、音源によってはER-4Pの方が気持ちよく聞こえたり、またその反対も然りでS化ケーブルがあることでより楽しみ方の幅は広がるなと思いました。

がっつり音が変わるわけではないので評価という評価がしづらい部分がありますが、プラシーボ的な変化では無いことは確実。これだ!という音源を見つけられるとS化と素のままの音の違いを楽しめるかなと。

結果S化ケーブルがセットになったER-4PTを選んだのは正解でしたね。

 

ETYMOTIC RESEARCH社のER-4シリーズ凄すぎる。若い人にこそ手にとって欲しいかな

発売から20年以上も愛され続けている理由は聞けば一瞬で分かる。

ハイレゾ、多ドラが人気の最近ですが、あえてシングルBAを手にとってみるのも良いかもしれません。特に若い方にこそ聞いて欲しい。

そんなイヤホンでした。

 

非常に大満足です!

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