男ならやっぱ真空管アンプでしょっ!中でも手が出しやすい真空管ポタアンTU-HP01は中々良いよ
女子の皆さん、もしこれから付きあおうという”彼”が居るならまず初めに真空管ポータブルアンプ、通称「真空管ポタアン」を持っているか否かを確認しましょう。もし持っているなら彼こそ一流の男です。
— (@こふす)(degitekunote2) (@_cofus) March 8, 2016
以前こんな名言を吐きました私(@こふす)です。私遂に真空管ポタアンを購入してしまいました。
そうです。私一流の男になったのです!さぁ今この記事を見ている女子の諸君、一流の男の私の彼女になりませんか?笑
すいません嬉しすぎてちょいはしゃぎ過ぎました。購入した真空管ポタアンは2年ほど前に話題になったTU-HP01というエレキットさんから発売されているモデルです。
昔から絶対1個は真空管アンプを持っておきたいと思ってた程真空管アンプに対して憧れが強かった私ですが、実を言うとそこまで詳しい訳ではありませんでした。まぁそもそもポタアン自体持っていなかったので、どのアンプが良いのか?を探っていくと必然的にライトユーザー層向けに作られているTU-HP01に出会ったというわけです。
ただこのTU-HP01、そのままだとまぁ真空管の柔らかい音が楽しめるアンプですが、内部のオペアンプを交換すると化けるとかなんとか。伸びしろもありながらも初心者でも楽しめるとなると購入するしか無いでしょ!というわけで23歳にしてようやく真空管アンプを手に入れたので早速レビューしていきます。
今回は開封編と試聴編です。ちなみにオペアンプ交換編もあるので気になる方は是非チェックしてみてくださいな。
おっとッコイツはすげぇぞ!真空管ポータブルアンプTU-HP01がやってきた
TU-HP01を販売するエレキットさんはオーディオ機器等のキット販売をするメーカーとしても有名で、2年ほど前にじわじわと話題になったのが今回紹介する真空管ポタアンのTU-HP01。
温度変化や電圧の乱れに弱い真空管を持ち運びが目的のポータブルアンプになったというのはかなり画期的だったらしく、価格も定価で約20000円程度だったこともありオーヲタからライトユーザー層までこぞってレビューしていましたね。ちょいと遅れましたが私も遂にTU-HP01にたどり着きましたよ。いや~嬉しい。
音響機器が入ってそうもないパッケージで、開けると直ぐ説明書がお出迎えしてくれます。
こんな感じ。
ビデオブロガーのジェットダイスケさんも言っていましたが説明書がまぁ親切な表記がされていました。真空管の魅力などもちょこっと書かれていて、一体真空管って何なの?と全く知識がない方でも簡単に使えるように配慮されています。
内容物は大きく分けて付属品と本体のTU-HP01のみ。
まずは付属品から見ていきましょう。付属品にはAUXケーブルと交換用オペアンプ(OPA2064)、そしてL型六角レンチと交換用のフロントパネルが付属してきます。
TU-HP01は真空管を採用したポータブルアンプですが、オペアンプも搭載されているいわゆるハイブリットアンプになります。そのため対応するオペアンプと交換することで様々な音を楽しむことが出来ます。有名なMUSES02にも対応していて、MUSES02に交換することで一気にTU-HP01のポテンシャルが上がるとも言われているようです。ちなみに早速MUSES02注文したので届き次第レビューします!
TU-HP01の本体はこんな感じのデザイン。キット販売のエレキットさんから発売されているのでキットかと思いきや完成品なので届いて直ぐに使うことができます。
丁度iPhone5と同程度の高さで、横幅もスマホと同じぐらいのサイズです。突起部のボリュームも含めた公称サイズはW78×H16×D139で、ポケットにも入るサイズ感です。重量は125g(電池含まない)。
全体的にシンプルなデザインが特徴で、操作部は全てフロントパネルに集中しています。
正面から見た様子。赤色のフロントパネルが映えますよね。対応入出力は3.5mmプラグでボリュームを挟んで左右にあります。
ちなみに付属品にあった交換用のフロントパネルは位置が逆にする時に使う用です。配線などの取り回しで困った時に使うようですね。
背面部はこんな感じ。
手で簡単に取り外すことが出来るネジがあり、コレを外すことで電池を取り替える事が出来ます。
電池ボックスは配線と直繋ぎなので引っ張ると断線する可能性があります。まぁ引っ張ることは無いでしょうが、ちょっとだけ気をつけておきたいですね。
電池は単4×4で、対応電池はアルカリ or ニッケル水素電池です。音響機器は出来るだけ安定した電圧の方が良いですし、また真空管の場合はより安定性が求められるので新古混ぜた電池だけは避けたほうが無難かと。ちなみにEVOLTAの評価が高いらしいですね。
ちなみに私は先日レビューしたAmazonベーシックのニッケル水素電池を使用しています。関連記事2000円強で揃えられるAmazonベーシックのニッケル水素電池と充電器
フロントパネルは六角で簡単に取り外すことが出来ます。
フロントパネルが外れるとロジックボードが取り外すことが出来ます。TU-HP01のロジックボードはこんな感じ。
真空管。一般的には電池管と呼ばれているサブミニチュア管タイプの真空管を2本搭載しています。このサブミニチュア管のおかげで乾電池の低電圧でも駆動させることが出来て、消費電力を抑える事が可能になっています。あと筐体振動時に発生するマイクロフォニック現象を抑えるための防震対策もされています。品番は米国RAYTHEON社製の6418。
そもそも真空管は20世紀初期に登場した今で言う半導体の役割をしていた能動素子です。名前の通りガラスを真空にして中の電極に高い電圧を掛けることで熱電子放射効果を発生させ、整流や増幅や発振を行うことが出来ました。この類稀みる特徴によりラジオやテレビ、そして初期のコンピューター等を始め、音を増幅させるためのアンプにも使われるようになりました。真空管は当時の電気電子回路技術において無くてはならない存在だったわけですね。
そんな真空管は今やトランジスタを始めとする半導体の登場により主役の座から外れ、一部の音響愛好家や特別な環境下で使用するための電気回路にしか用いられていません。というのも半導体の性能は真空管を遥かに凌駕するもので、わざわざ真空管を使う必要がなくなったからでした。また真空管はノイズや歪が大きく、デジタル制御において不向きな場面も多かったのも理由の1つでした。ただ音響機器においては真空管の弱点の歪が良い影響を作用させることもあり、未だに現役且つ多くの愛好家の方が居ます。
真空管には特性カーブと呼ばれる歪があり、この歪は一般的に二次高調波と呼ばれています。二次高調波は原音の二倍の周波数に当たり、音階でイメージするなら1オクターブ上がった時の音(倍音)に該当します。倍音は自然界で発生する音や楽器などで見られる事が多く、フーリエ変換等をする事で実際に視覚的にも多数観測する事が出来ます。人が心地いいと感じる音には大抵倍音が含まれていて、真空管もまた人が心地いいと感じる倍音の成分を歪として持っているため、真空管が出す音が「温かい」や「柔らかい」、「懐かしい」等の印象を与えるとされています。これが真空管アンプの何よりの魅力とされているわけですね。
一方半導体等を主流としたアンプの場合発生する歪は奇数の三次高調波や五次高調波になることが多く、違和感を感じるために出来るだけ歪をゼロにする処理が行われます。ただこの歪ゼロが劣っているわけではなく、真空管アンプは半導体のアンプに比べると性能的には遠く及ばないとされています。ちなみにハイスペックな半導体を使ったアンプの場合、真空管の歪をエミュレートすることで真空管の音の特徴を持った音を出すことが出来る製品もあったりします。
デフォルトで搭載されているオペアンプはMUSES8820。
電池ボックスから伸びる線は直接ロジックボードに繋がっています。ちなみに収納時はこの線が電池ボックスの上にならない様に収納すると電池交換時に取り出しやすくなります。
ボリュームを時計回りに回転させると電源を入れることが出来ます。電源ON時は「VACUUM TUBE」のインジケータが緑色に点灯します。これがまたカッコイイんですよね。
TU-HP01は一応手軽に外でも使えるポータブルアンプに分類されるアンプです。なのでソースはスマホなどの身の回りにある音楽プレーヤーでOK。勿論ハイレゾ再生可能なデバイスからソースを取ってきてもOKです。
早速聞いてみようと再生さたんですが一向に音が出ないという現象に出会いちょい焦りましたが、どうやら付属してきたAUXケーブルが断線しているようでした。プラグを半端に挿した時の音が出たので恐らく根本部分で線が切れていたのかな。
まぁ曲がってますし残念なケーブルに出会ったようです。にしてもある意味当たりですね笑。
TU-HP01の音はこんな感じ
気を取り直して手持ちのAUXケーブルで再生してみたところ今度は普通に再生出来ました。
店舗などで視聴したことあると言っても初めて購入した真空管アンプなのでどう違うのか的確に評価できるか心配ですが、「なるほどね」と真空管アンプの魅力をちょっとだけ垣間見ることが出来た気がします。
まず解像度に関しては、TU-HP01を通さない時に比べて明らかに高くなっているのが感じられました。そして全体的にメリハリが付き、尚且つイコライザをカスタマイズしたかのような丁度いい音に変わった様な印象です。繊細な音が上手く前に出ている様な音の響きが感じられ、立体的な音に変わったかなという感じですね。よく聞く「温かみがある音」や「懐かしさ」も感じられますが、ファーストインプレッションとしては案外高解像度且つ低域も中域も高域もまんべんなく出ていました。
ただ無音時のノイズ(熱雑音)がちょっと強いかなという感じもしたので、インピーダンスとの相性を選んで使う必要もあるかなという感じですね。
オペアンプを交換してみる
折角なので付属してきた交換用のオペアンプ(OPA2604)と交換してみました。MUSES8820との違いはバイポーラとFETな点です。大学の電子デバイスで一応習いましたがいまいちピンとしないので実際に聞いてみて違いを感じ取ってみます。
オペアンプをOPA2604に交換したことで若干より解像度が上がったような気がします。あとMUSES8820に比べるとマイルドな音になったような感じもしました。ちょっと落ち着いた感じの音が特徴で、細い音がより聴きやすくなった印象です。でも確かにオペアンプを交換することで音が変わるのを感じましたね。
TU-HP01良いね。多分入門機としては最適なのでは
TU-HP01の他に真空管アンプを持っているわけではないのでなんとも言えないですが、手が出しやすい価格帯で真空管の醍醐味を味わえる真空管入門機のポータブルアンプとしてはTU-HP01物凄い魅力的な製品かなと感じました。
ただ音楽を聞くだけでなく、オペアンプを交換することで自分に合った良い音探しをすることも出来るため、より実践的に真空管アンプに関して学びながら音を楽しむことが出来るかなと思います。早速私はTU-HP01のオペアンプとしては最強とされているMUSES02(価格にして約4000円)という高級オペアンプを購入しました。
いや~買ってよかったなと心から思えた製品でしたね。近々MUSES02のレビューもしたいと思います。真空管アンプに興味があるけどよく分からないからチャレンジできなかったという方は、TU-HP01を是非チェックしてみてはいかがでしょうか!