紅茶に似合うクッキーになりたい
紅茶と一緒に食べたいもの
そんな取り留めのない事を考えていると
ふとバタークッキーが無性に食べたくなった
けど私は紅茶よりコーヒー派で滅多に紅茶を買わない
バタークッキーも生憎家にはない
考えると考えるほど紅茶とバタークッキーが食べたくなる
どうしようもないから何故一緒に食べたいものがバタークッキーなのか、考えてみた
5分考えて出てきた答えが「合うから」
10分考えて出てきた答えが「美味しいから」
30分考えて出てきた答えが「味わいを想像できるから」
…
我ながら考察力が欠けていると思わざるえない答えにしょんぼりしていたら
ふと前に買った気がするバタークッキーを思い出した。
キッチン上の棚には100円ぐらいのバタークッキー菓子と貰い物のティーセットがあった。
無心にやかんに火をかけティーバックを取り出し、カップにお湯を注ぎ、ほのかに漂う甘味成分をほんの少しだけ嗅ぐ
ゆっくり抽出された濃い橙色の紅茶成分を目の前に、細長いクッキー菓子の外装を開け、1個取り出した
静かで穏やかな時間が流れる中
指には落ちんばかりのショ糖のさらさらが伝わってくる
はねる心を抑え
カップを一口すすり、決して甘くはない紅茶の味わいを堪能した後
クッキーをひとかじりする
見つけた
暮れかけた日を見ながら
私もいつかは紅茶に似合うクッキーのような人になりたいと思った